ここでは、ゲームのNPCにAIを組みこんだらどうなるの？という人向けに、スタンフォード大学やGoogle Researchの共同研究チームが開発したChatGPT導入NPCをご紹介いたします。
いつかゲームのNPCはAIによって行動するようになる、といわれていましたが、とうとうゲームの世界でも新たな時代が始まったようです。
『Reverie』とはChatGPTを組みこんだNPCの開発
スタンフォード大学やGoogle Researchの研究者によって、「ゲームのNPCにChatGPTを組みこんで、自分で行動する仕組み」が開発されました。
「ChatGPTを利用したRPGゲームの始まりです！」
『Reverie』
このデモページで展開されるNPCの行動は、リアルタイムのシミュレートではなく事前にシミュレートされたものだそうです。録画のようなもの
「2023年2月13日（月）朝6時」から、Small Ville村で生活するNPCたちをみられるようですね。
NPC（現在のステータスが表示されている）をクリックするとそのNPCをみることができますが、うまく動作しないときもあるとのこと。
きちんと表示されているときは「現在のステータス、場所、会話」が表示されるようです。
JMばあちゃんをクリックしてみると早朝から散歩をしていました。
パソコンが低スペックなせいで画面がきちんと表示されていません（黒い部分）結構重いです💦
着ぐるみを着ているWS猫をみてみると外を散歩していました。
25人のNPC（エージェント）は、性格や職業、趣味、家族や友人知人、隣人との関係などのプロンプト（指示文）が入力されています。
NPC同士で対話して情報交換し、その情報が村全体に拡散していくようすや、共同生活での同居人に対する行動、初対面のNPCとの人間関係づくりなど、事前にプログラムされたものではなく、NPCが自ら創りだしていきます。
ジョン・リンというNPCは、ウィローマーケットの薬局の店主です。彼は人助けをすることを好み、どうすればお客さんがカンタンに薬を入手できるかを常に考えています。
イザベル・ロドリゲスというNPCが、2月14日午後5時からHobbs Cafeでバレンタインデーパーティを企画します。そしてNPC同士が対話していくうちに、パーティの情報が村全体に拡散され、好きな人を招待しようと考えるNPCや、パーティ用の飾りを注文するようすが確認されたりしました。
NPCは、研究者たちにとって予想外の動きをしていくのだそうです。
参考リンクはこちら
ゲームのNPCにChatGPTを仕込んだら勝手にパーティーの計画を立て始めた – GIGAZINE
↓『Reverie』のデモ画面をキャプチャした動画がありました。
Generative Agents: Interactive Simulacra of Human Behavior Web Sim Replay – YouTube
↓こちらで詳しく解説されています。
1st ChatGPT Powered NPCs Having SandBox RPG Game Smallville: Generative Agents Interactive Simulacra – YouTube
研究の詳細はこちら
https://arxiv.org/pdf/2304.03442.pdf
生成エージェント（NPC）は、インタラクティブなアプリケーション向けに、人間の行動をリアルにシミュレートします。 この作業では「The Sims」のような仮想の世界に25のエージェントを配置し観察します。 ユーザーは「エージェントが日々の計画をたて、ニュースを共有し、人間関係を築き、同居人に対しての行動など」のようすを観察し、介入することができます。
エリアがラベル付けされたSmall ville村という仮想の世界。ルートノードは村全体をあらわし、子ノードはエリア (家、カフェ、店舗など) を表し、リーフノードはオブジェクト(テーブル、本棚など)を表します。エージェントは、自分がみた世界のサブグラフを、みたまま記憶します。
イザベル・ロドリゲスのバレンタインデーパーティーの拡散するようす。シミュレーションが終わるまでに合計12人のエージェントがHobbs Cafeでのパーティーの件を耳にしました。
あとがき
とうとう出てきた！という感じですね。
ChatGPTが公開されてから、いつかゲームのNPCもAIで動くようになるといわれていましたが、とうとう始まりました。
この研究ではドット絵のレトロゲーム仕様ですが、あらゆるゲームのNPCに使われるようになっていくのでしょうね。
「The Sims」に似ていますが、あらかじめプログラムされているNPCと、AIによるNPCとではやはり違うのでしょうね。
AIのほうは行動パターンを覚えて学習するので、無限にパターンがあるという感じでしょうか。
ゲームのNPCは話しかけても同じ会話を繰り返すだけだったりしますが、AIを組みこんだNPCだと延々世間話ができそうですよね。
そのうちゲームの「AI NPC」は、わたしたちが動かしているキャラクターの見えないところでも行動するのかもしれませんね。
たとえば、ちゃんと朝起きて町に出て買い物をしたり、山へ山菜をつみにいっているあいだはNPCは留守で、山にいくとちゃんと山菜をつんでいたり。
山へいくあいだにモンスターに会ったらNPCも戦ったり逃げたりするのかもしれない。
そんなふうになったらゲームのストーリーそっちのけで、NPCがなにをしているのか、ずっとあとをつけてしまいそうです。笑
ads一軒家の空きスペースを貸して副収入「特Ｐ」
AI関連の記事はこちら
【新たな時代の幕開け】進化の速度がやばい『ChatGPT』AIと漫才ができる時代
ラクガキからイラストを自動生成してくれるAI『Scribble Diffusion』
